限界作画オタクのワンルームメート去る!

ワンルームメート来る!

 学生寮を追い出された、一応先輩の院生を大特価の月15,000円でワンルームのアパートにかくまうことになった。ワンルームのルームメート、略してワンルームメートというわけだ。自分も寮を追い出されてアパートに引っ越し、部屋に寝るくらいしかおらず、特に一人暮らしのメリットも全然感じなかったので、引き入れることに。

 しかし、いざワンルームでルームシェアをやってみると、寝る時間が違う時が厄介だ。カーテンとかの仕切りもなく、地続きなので電気をつけると双方に影響を与えてしまう。

 あと、使っていたAlexaを邪魔とか、観葉植物を邪魔とか、いろいろとイチャモンを付けられた。足が臭いだの、風呂入れだの。さらに、毎日のごとく2リットルのコーラ or ジンジャーエールを買ってきては放置するので部屋がペットボトルで溢れてきてしまう。

 自分はなかなか目覚めるのが苦手なタイプで、目覚ましを大量にセットする。なれどもなれども、起きては消してすぐ眠る。しかし、ワンルームメートは一度起きてしまうと寝付けないらしい。とのことで、「目覚ましを何度もかけるな!起きないくせに!」と苦情が来る。なので、いつもワンルームメートに起こしてもらっていた。と言っても、起こしてもらって起きるほど寝起きがよくないので、ペットボトル投げてもらったり、布団を剥ぎ取ってもらったりした。

 悪いこともあるが、良いこともある。ワンルームメートは自他共に認める、極度のアニメオタクであり、実家が漫画喫茶のサラブレッド。ただし、限界オタクではない。特に作画への造形が深く、数百人の作家をあげるなんてわけない。そんな彼から、よく分からないが様々なことを知った。翠星のガルガンティアの「サーヤ」が「快楽天ちゃん」と呼ばれていて、フィギュアを売るためにそのような女性らしい容姿になっていること。また、「SHIROBAKOの太郎のモデル」が「A-1 Picturesの社長」であること。元来そんなにアニメを見ない性分だったのだが、いつもそばでアニメを見ていて、ぶつぶつ言っていたため、自然とアニメに対するモノの見方が変わっていった。どこのプロダクションが作ってるかとか、監督・脚本・作画が誰だとか、気になるようになってしまった。


 オタク界について無知だったので、ワンルームメートがアニメ好きの標準スペックだと思っていた。そこで、会社のアニメ好きな人たちと話すと、なぜか自分がアニメオタクの烙印を押されてしまった。世俗的にアニメオタク度が上位の人種と関わるうちに、知らないうちに自分もアニメオタク界の階段を登ってしまっていたのだ。

 今もバイオレットエヴァーガーデンも見ながら書いてしまっている。ただし、内容は何ひとつ追えてはいないが。


ワンルームメート去る!

 半年ほどであったが、自分を客観視し、オタクから影響を受けることができるよき機会であった。何かに熱中している人と共に暮らすのはよいことである。いたらいたで厄介なおっさんだが、いなくなってみると寂しい感じがする。東京でアニメプロデューサー目指してがんばるそうだが、どうなることやら。

 自分は引っ越したら会社から家賃補助が出るので、引っ越すが、なかなかルームシェアしてくれる人は見つからない...。みんなやりたくないのだろうか、安く済むのに。これから誰か、新居にもかくまおうと画策しようと思う。

ー追記ー

ワンルームメート徹夜明けx寝間着で叙々苑に来る!

彼は大手出版社に就職して東京に住んでいて、自分が東京でインターン終わりの当日の直前に食事に誘うと、なんと企業間麻雀の徹夜明けかつ寝間着で何ともだらしない格好で新宿に現れた。そこで、躊躇なく有名で食べたことがないからという理由だけで叙々苑に行ったのである。奢ってもらったが、学生時代のごとく来たらすぐに焼いて食べるというスタイルでアニメ業界事情について淡々と語ってもらった。とりあえず、おいしかったし話もおもしろかったが、こんなありがたみがない叙々苑は最初で最後だろう。


ナツキ徒然MakingLog

つくったり企画したことを徒然と気ままに投稿しています。

0コメント

  • 1000 / 1000