出会い系お金巻き上げ手口２例

＜PCMAX＞

有史以前から、ヒトは出会いを求めてきた。そして、かく言う自分も若かりしころ出会いを求めて、定額課金制ではなくポイント制の出会い系サイトに一度登録したことがあった。しかし、怪しさに満ち溢れた勧誘ばかりだったため、三日とたたず使わなくなりアカウントを消してしまった。しかし、後々考えてみると、怪しい勧誘にのってみるとどのような手口を使ってくるのか気になったので、引っかかってみることにした。まさに、街角でたまに見かける高収入を謳った男性募集のポスターに応募するようなものだ。そこで、自分が遭遇した興味深い例を2つあげる。

　紹介する2つの手口は、単純に初手メアド交換を促してくるのではなく、一味違った手法をとる。相手に自分を信用させてから騙す手口である。割と巧妙にできていて参考になる（なんの？）。

事例１：ママ活前金詐欺

概要

ママ活をするに当たって、お小遣いを渡すための前金を要求する手口である。

0. プロフィール

好きな男性のタイプとして、約束したら守ってくれる人、嘘つかない人うんぬんとしている。あとで、何かしらの契約をさせて、それをのませることができる人を望んでいるのだろう。

1. ワンクッション置いてのメールでのやりとりへの誘導

多くの勧誘が最初からメールのやり取りへの移行を促すのに対し、むしろこれでいいのかと承認を求めてくる。そして、メールアドレス交換を提示するが、Lineやカカオトークでのやり取りを考えていないと、逆にこっちを疑っているそぶりを見せる。警戒心を見せることで逆に信用させる作戦か。

2. メールで条件を提示

ママ活をするにあたって、数段階に渡っての承認を求めてくる。そして、最終的に条件を示す長文のメールが届く。もちろんメールは、この検証のためにわざわざ作った、Googleのダミーアカウントを使用。前金を渡すように求められ、その前金の正当性を示す説明が並ぶ。そもそも、最初から何かを要求してくるような人は信用できない。そもそも自分が一方的に疑われているのに、どうしてお前を信用しろというのか。最後はLineでやり取りするように求められる。

　2万円っていうのがなかなか良い金額設定だと思う。高いっちゃ高いが、高すぎはしない。お小遣いの３分の１っていうのが謎だけど。

3. Lineへ誘導し普通に会話

Lineではたわいのない会話がなされる。Lineアカウントはすでに使っていない、Facebook連動のアカウントを使用。会う当日まで、信用度パラメータの向上を目指して、なんやかんやメッセージを続けさせ、確実に来させようとするのだろう。自分はちょっとやっただけでブロックしてあげた、ひより(仮)さんは他の人も相手にしないといけないだろうし。しかし、なかなか手の込んだことをする人もいるもんだなぁ。

　出会ってからどうやって２万円を回収するのだろうか気になる。ホテルに連れ込んで、逃げ道をなくして回収して、そのまま帰るのだろうか。というか、出会った時点で別人だってバレて警戒されるのでは？悪用されるからダミーの写真使ってましたー、みたいな言い訳をするのだろうか。約束するだけして、見に行けばよかったかもしれない。

事例２：スマホ悪化サイト誘導詐欺

概要

スマホが悪化して連絡が取れなくなることを口実に、あるサイト誘導して登録を促す手口。

0. プロフィール

ごく普通の設定。というか逆にプロフィールを埋めている時点である程度の怪しさはある。経理をしている設定らしい。

1. 同情を誘う作戦

変な男性からやりもくでの勧誘がくるから、出会い系をやめようと思っている設定であると告げられる。「あらあらそれは大変、自分はそんなことないですよ」と求められている回答をする。すると、もうやめるからメールでのやり取りをしようと求められる。

　そもそも、やめようと思ってるなんて、現場であるここで相談しないで、即刻やめろよと思うのは野暮である。ここは同情してあげるのが筋である。

　メアド交換してからも、こいつのアカウントを確認してみると他の誰かから、違反報告を受けて退会させられていた。もうちょっとちゃんと、頑張ろうよ....

2. スマホ悪化からの誘導

スマホがまとめサイト見てたら、バグってしまったらしい。多分、この表示が出てもフリーズになったら再起動はしないだろう。とりあえず、トラブルシューティングを求められ、それっぽいことを言っておく。

　トラブルシューティングを求められた次は、スマホ使えないからサイトの登録をするように促す。これは、簡単な要求をのませて要求レベルをあげるという、典型的な foot in the door techniqueである。

　スマホないからタブレットを使ってやりとりしているとして、今メールでのやりとりができているのに「このアド無理」と謎の設定を持ち出してきている。そもそも、20代前半の女性は謎のサイトでチャットする世代じゃないだろう...。あと、今どき20代前半の女性で顔文字こんな使う人いるの？中の人はおそらく、おっさんのサクラなのだろう。

　アドバイスするなら、サイト登録以前にリンク踏ませたら、自動的にサービス登録させる(ように見せかける)みたいなことをした方が賢明ではなかろうか。なかなか、旧世代型の誘導手法も残っているものである。

というわけで、どんな感じになるか確かめるために時間を無駄に消費したわけだが、このテクニックをどこかで活かしていきたいと思う。まぁ、今後はポイント型の出会い系は金輪際使わなんでしょうね。